こんにちは!ハクヤクです。
僕は、50代でセミリタイアしたいと考えています。
働いている間は、iDeCoへの加入を続けようと思っているのですが、セミリタイアした場合のiDeCoの出口戦略についていろいろ調べてみました。
iDeCoのメリット
iDeCoのメリットは、以下の2つです。
掛金が全額所得控除
サラリーマンでいる間は、毎月掛金を支払いますが、その掛金が、全額、所得から控除されます。
【例1】年収600万円でiDeCo未加入の場合
【例2】年収600万円でiDeCoに年額276,000円(月額23,000円)加入の場合
ここからさらに社会保険料控除や扶養控除などがあるので、一概には言えませんが、仮に所得税率が20%だとすれば、iDeCoにより毎年55,200円(27万6000円×20%)の所得税を節税することが可能です。
さらに、詳しくは知りませんが、住民税10%分も節税できるはずです。
仮に20年間iDeCoに加入したとすると、55万2000円もの節税効果が期待できます。
サラリーマンの節税術は限られていますので、iDeCoは使ったほうがいいのかなと思います。
一括で受け取るときに、退職所得控除が使える
iDeCoは、受け取るときにも節税効果があります。
通常、投資による利益には20.315%の税金がかかります。
しかし、iDeCoで受け取る金額には「退職所得控除」を使うことができます。
投資なのに「退職」というのも不思議な感じですが、老後の資産形成という意味では共通していますよね。
【退職所得控除額の計算方法】
【例】勤続年数38年の場合
つまり、退職金が2060万円までであれば、非課税となります。
イデコの落とし穴
しかし、国も税金を取ろうと虎視眈々と狙っていますw
この退職所得控除を使う場合の退職金には、会社からもらう退職金とiDeCoで一括でもらう金額が合算されます!
【例1】退職金2000万円のみの場合
【例2】退職金2000万円とiDeCo600万円を同年にもらう場合
ここで求めた270万円の退職所得を以下の計算式に当てはめて、税額を算出します。
退職所得の源泉徴収税額の速算表 | |||
---|---|---|---|
課税退職所得金額(A)※ | 所得税率(B) | 控除額(C) | 税額=((A)×(B)-(C))×102.1% |
195万円以下 | 5% | 0円 | ((A)×5%)×102.1% |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 | ((A)×10%-97,500円)×102.1% |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 | ((A)×20%-427,500円)×102.1% |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 | ((A)×23%-636,000円)×102.1% |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 | ((A)×33%-1,536,000円)×102.1% |
1,800万円を超え 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 | ((A)×40%-2,796,000円)×102.1% |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 | ((A)×45%-4,796,000円)×102.1% |
計算すると、(270万円×10%-97,500円)×102.1%=170,452円となりますので、約17万円の所得税を支払わないといけないことになります。
あと、詳しくないけど、たぶん住民税も別途取られます。
逃げ道。iDeCoを先に受給し、退職金を5年後にもらう
実は、退職金とiDeCoをもらう時期をずらすことで、退職所得控除を2回使うことが可能になります。
原則として、5年後であれば、2回目の退職所得控除を使うことができるので、60歳でiDeCoを受給し、65歳でiDeCoを受給すれば、退職所得控除を2回使うことができるので、非課税の恩恵を受けられます。
退職金を先にもらうと、20年後にiDeCoをもらわないと課税される
しかし、退職金を先にもらうと、iDeCoを受給するまでに20年空いてないと、退職収入が合算されます、、、。
以前は、この「20年」が「15年」だったのですが、2022年4月の法改正で、「20年」に改悪されてしまいました、、、。お国もなかなかヒドイことしてくれますね、、、。
ちょっと難しいですが、法律を載せておきます。
所得税法施行令
(退職所得控除額の計算の特例)
第七十条
1 法第三十条第六項第一号(退職所得)に規定する政令で定める場合は、次の各号に掲げる場合とし、同項第一号に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、当該各号に定める金額とする。
一 (省略)
二 その年の前年以前四年内(その年に第七十二条第三項第七号(退職手当等とみなす一時金=iDeCo受給額)に掲げる一時金の支払を受ける場合には、十九年内…)に退職手当等の支払を受け、かつ、その年に退職手当等の支払を受けた場合において、その年に支払を受けた退職手当等につき第六十九条第一項各号の規定により計算した期間の基礎となつた勤続期間等の一部がその年の前年以前四年内に支払を受けた退職手当等に係る勤続期間等と重複している場合 その重複している部分の期間を法第三十条第三項の勤続年数とみなして同項の規定を適用して計算した金額
結論としては、退職金を先に受給する場合は、iDeCoをもらうまで20年開けましょうということです。
セミリタイアには逆風か。対策を考える
改正前は、間の期間が「15年」だったので、「50歳でセミリタイアして退職金をもらい、65歳でiDeCoを受給すれば非課税♪」と思っていたのですが、、、。
法改正により、「50歳で退職金→70歳でiDeCo」としないと、非課税の恩恵が受けられませんね、、、。困ったな~。
iDeCoは年金で受け取ることも可能で、その場合は、公的年金所得控除が使えます。
国税庁のホームページを見ると、65歳未満は、年60万円まで非課税、65歳以上は、年110万円まで非課税のようです。
対策としては、
50歳で退職金をもらう(退職所得控除により全額非課税)
60歳から年金方式でiDeCoをもらう(年60万円までなら非課税)
65歳から厚生年金と合わせて年金方式でiDeCoをもらう(合計年110万円までなら非課税)
70歳でiDeCoの残額を一括でもらう(退職所得控除により全額非課税?)
という作戦が考えられます。
しかし、iDeCoは手数料がいろいろかかります。
【運用時の手数料】
①国民年金基金連合会:年1,236円
②事務委託先金融機関:年768円
③口座管理手数料:SBIや楽天は0円
【給付時の手数料】
給付1回につき、432円
※年金方式だと、毎回かかる。
このあたりの手数料と、退職所得控除を超える金額にかかる税金との兼ね合いですかねぇ。
特に給付時の手数料は高いかも。
仮に50歳でセミリタイアすると、勤続年数は28年なので、
退職所得控除額=800万円+70万円×(28年-20年)=1360万円
退職金が1000万円(そんなにもらえるのかw)とすると、
退職所得控除の残額=1360万円-1000万円=360万円
ですので、iDeCoの運用額が360万円以下であれば非課税ですし、仮に500万円くらいに増えていたとしても、
500万円-360万円=140万円
退職所得=140万円÷2=70万円
所得税=70万円×5%×102.1%=35,735円
なので、一括で受取でもいいかな~なんて思っちゃいますね!
まだまだ先のことですし、きっとこれからも改悪はつづくでしょうからw、あまり欲張らずに、気長に生きたいと思います。
しかし、税金って難しい!!
iDeCoで同じように悩んでいる方の何かの参考になればと思います。ではまた!